第1章うつ病との戦い-(3)うつ病で休職することに

(3)うつ病で休職することに

回復するために最良の方法は、会社を休んでリラックスすることであると言われたため、思い切って会社を休むことにした。それまで会社を休暇、風邪、家族の事情等でしか休んだことも無く、3ヶ月という長期の休みは初めてであった。休んでもまずは何もすることが無い。気力が無いので、外出をしたり、本を読んだり、テレビを観ようという気も起きなかった。誰にも会いたく無いし、何もしたくないので、毎日布団の中で過ごしていた。休み始めて数週間経つと、全く仕事のことを考えなくなり、薬(パキシル)の効果もあったのか、気分的には楽になってきた。貯金がある程度あったので、生活面では何とかやっていけると思っていた。休むというのはこんなに精神的に良いものかと正直びっくりした。人は生活のために働かなければならないが、時に何も考えずにゆっくり休むことも大事であると思った。

考えてみればゆっくりと何もしないという日はそれまであまり無かった。仕事は毎日遅くまで働いていて、週末はボランティアで地域の少年サッカークラブのコーチをしていた。常に予定がある状態なので、何もせずにリラックスして家にいるという時間を取っていなかった。サッカークラブはボランティアとは言え、ヘッドコーチをやっていたため、練習の時には練習メニューをあらかじめ考え、試合となると、どのようなフォーメーションで、誰を使うべきなのか等を考える必要があった。また、週末にはコーチ会議が行われたりしていたので、時間的にかなり拘束されていた。昔から何でもやりたいという性格だったので、自分の息子がサッカークラブに入会した際に、コーチを引き受けた。初めの頃は、会社でもサッカーの事を考えて、仕事をそっちのけで練習メニュー等を作っていた。とにかく自分が担当したからには子供達には上手くなって欲しかったし、試合等でも勝てるようなチームにしたかったので、一生懸命にコーチ業に取り組んでいた。週末になるのが楽しみで仕方なかった。また、子供達とサッカーが出来ると思うと大人ながらわくわくしていた。試合等では、かなり熱が入っていたので、自然と大きな声を出して、子供達を鼓舞していた。選手の皆と勝ったときの喜びや負けたときの悔しさを共有して、一生懸命に練習しようという雰囲気が出来ていた。生活はかなり充実していた。

しかし、うつ病になった後はそれ程楽しみであった週末のサッカーも、気分が乗らないものになってしまった。少年サッカーは雨の場合、休みになる事が多いので、週末は雨が降らないか祈るようになっていた。それまで自信のあった、チームの雰囲気作りも何故か自信が持てなくなっていた。積極的に何かを教えようという状態では無くなっていたので、ある時からヘッドコーチを退任して、お手伝いコーチにしてもらった。自分の健康のためには家でダラダラしているのではなく、外で体を動かすことも必要であると言われていたため、コーチ業は頑張って続けた。

 

第1章うつ病との戦いー(1)ある日突然ー眠れない。。。
第1章うつ病との戦い-(2)精神科医に行く
第1章うつ病との戦い-(3)うつ病で休職することに
第1章うつ病との戦い-(4)パチンコとギャンブル依存症
第1章うつ病との戦いー(5)パチンコ攻略法詐欺
第1章うつ病との戦い-(6)パチンコ詐欺に力負け
第1章うつ病との戦い-(7)転職活動
第1章うつ病との戦い-(8)激太り
第1章うつ病との戦い-(9)パキシルについて
第1章うつ病との戦い-(10)うつ病に効く漢方について
第1章うつ病との戦い-(11)リラックスする方法
第1章うつ病との戦い-(12)転職したが、2回目の転職活動
第1章うつ病との戦い-(13)うつ病と向き合えない原因
第1章うつ病との戦い-(14)うつ病を家族へ告知
第1章うつ病との戦い-(15)傷病手当金は何故1年半?
第1章うつ病との戦い-(16)抗うつ薬と離脱作用
第1章うつ病との戦い-(17)生活のダウンサイジング=お金
第1章うつ病との戦い-(18)戦う・逃げるでは治らない!
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