(6)認知行動療法とはー10パターン⑨と⑩
認知療法パート9-(感情的決めつけ=自分が感じていることを皆がそうであると思う)
「自分がこう感じているのだから、現実もそうであるにちがいない」と誤っておもいこむこと。
鬱状態にあると冷静に考えれば(或いは振り返ってみれば)たいしたことのないことでも大変な場面に直面しているような気がする。(自分が大変な思いをしているから)
絶望感にうちひしがれていれば「この状況は絶望的だ」とかんじられる。本当は自分の感情が現状からズレて暴走しているだけでも、そこには思い至らない。
また認知の歪みの特徴のひとつは、このように問題をすぐに「取り返しのつかないこと」として考えがちなことだ。世の中で起きるたいていのことは取り返しのつくものなんだが、ホンの些細な失敗でも「超大ピンチ!!!!!!!」となってしまうのである。
事実、ちょっと悪い事が起きると大げさに反応してしまって、人に当たり散らすようなことを自分が気付かないうちに行っていたようなことが多かった。毎回、妻や家族にいろいろと注意されて、反省する事が多かった。とにかく、イライラしている自分が正しいと思ってしまって、みんなに迷惑を掛けていた。
認知療法パート10-レッテル貼り(一般化のし過ぎや選択的抽出が極点になったケース)
原因療法としての認知療法には10のパターンがあるが、9までしか書いていないことに気付いた。実はこれが一番重要かもしれない。
最後は「レッテル貼り」である。簡単に言うと、自分や他人に柔軟性のないイメージを創り上げて、そのイメージを固定してしまう思考パターンである。ちょっと何か失敗したりすると、それが自分の本質であるかのように自らにレッテルを貼る。間違った認知に基づいて完全にネガティブな自己イメージを創作してしまう。極端な形の一般化のしすぎともいえる。この背景にあるのは「人の価値はその人の犯す間違いによって決まる」という考え方である。レッテル貼りは間違いをしでかしたときに「まったく私ってヤツは……」という表現で始まる言葉を吐くのが特徴だ。
太宰治の小説の主人公などがとてもわかりやすい例。自分が入っていたのが肺病のサナトリウムじゃなく精神病院だったというだけでいきなり「人間失格」と決め付けちゃったりね。
しかもこれほど極端に歪んだ認知でも、うつに陥っている本人には正しい判断であると思えているところがまたやっかいである。
これで10全部書いたので、次はまとめてみようと思う。
第2章(1)認知行動療法との出会いー認知行動療法とは第2章(2)認知行動療法とはー10パターン①と②第2章(3)認知行動療法とはー10パターン③と④第2章(4)認知行動療法とはー10パターン⑤と⑥第2章(5)認知行動療法とはー10パターン⑦と⑧第2章(6)認知行動療法とはー10パターン⑨と⑩第2章(7)認知行動療法のまとめ&利用方法第2章(8)セロトニンとの出会い第2章(9)セロトニン不足からの脱出第2章(10)ジョギングでうつ病を克服した-リズム運動第2章(11)うつ病に効く漢方ー羅布麻茶第2章(12)セロトニンを食事で増やす第2章(13)睡眠はうつ病を治すために大事第2章(14)良い睡眠を取る方法-筋弛緩法第2章(15)良い睡眠を取る方法-食べ物編第2章(16)禁煙うつ①-うつ病と禁煙うつ第2章(17)禁煙うつ②-禁煙すれば、うつ病は良くなる第2章(18)うつの症状と対応する漢方薬