第2章(7)認知行動療法のまとめ&利用方法

(7)認知行動療法のまとめ&利用方法

認知行動療法とは-10パターン

これまで見てきた認知の歪みの10パターンをまとめてみた。どれも自分は考える事があったり、経験したりしたことがある。実際にうつになるきっかけは、自分は「全か無か、All or Nothing思考」と「すべきである思考」が極端に強かったことだと思う。

歪みの10パターン  
全か無か、All or Nothing思考 何でも善か悪、全部又は無という判断をしてしまう
何でも一般化しすぎてしまう 何かひとつやふたつの事実・事象を見たり、体験したりすると、「すべて(いつも)こうだ」と思いこむ
マイナス思考 何でも悪いように考えてしまう。良いことがみえなくなるばかりでなく、なんでもないことや或いは良いことまで悪いほうに考える傾向が生れる
心の読みすぎ=勝手な思い込み わずかな根拠や事象から相手のこころを勝手に推測し、事実とは違う、或いはまったく事実無根の結論を下してしまうこと
選択的抽出 悪い事ばかりに目が向いたり、考えてしまったりする
「すべきである」思考 完全主義や完璧主義の人に多い。 

自分や他人に対して、どんな事に関しても「こうするべきだ」とか「こうあるべきだ」、「こうあらなければいけない」などハードルの高い基準を作ってしまう

拡大解釈と過小評価 周りの人たちはみんな凄いのに何で自分は。 

自分が持っている様々な資質の中でも、悪い部分やダメな部分のことばかりを大きく、重大なことと考えて、逆に良いところは小さく見てしまったり、見えなくなってしまったりする

自分が悪い思考 周りの起こる悪い事は全部自分のせい。 

何か身の周りで悪い事が起きると、何でも自分の責任だと思ってしまう

感情的決めつけ 自分が感じていることを皆がそうであると思う
レッテル貼り 一般化のし過ぎや選択的抽出が極点になったケース

 

人間誰しも、上記の考えを持つことがあるが、どれも極端になる事が問題なのである。ストーカーとかも、異常だったり・極端な愛情表現だったりすると思うので、何でも極端になると問題になる。ストーカーと言ったのは、自分の思考に追い詰められている感じが自分はしたからである。

 

認知療法・認知行動療法とは「自動思考」のコントロール

~出来事-自動思考-感情-行動の相互関係に注目した方法~

「起こっている事の受け取り方」や「ものの見方」を認知といいますが、その認知に働きかけて、ある程度コントロールして、心のストレスを軽くしていく治療法を「認知療法・認知行動療法」と言う。

認知には、何かが起こった時に瞬間的にうかぶ考えやイメージがあり「自動思考」と呼ばれている。「自動思考」によって、いろいろ気持ちが動き行動することになる。ストレスに対して強い心(ストレス耐性)を育てるためには自分の「自動思考」に気付き、何故そのような考えになるのか理解し、それに働きかける事が大事なのである。

気持ちは、「考え方」に大きく影響される

例をひとつあげてみよう。

期末試験前日を想像してみよう。試験範囲は全部勉強出来ていない。疲れと眠気が全身に広がっている。このようなとき、どのような考えが浮かぶだろうか?

「前回も同じ失敗だった」「だめな私」「もっときちんと準備していたらこんなことにならなかったのに」と考えると、憂うつなるのは当然。

「何故お母さんはもっと早く勉強するように言ってくれなかったのだろう」とわがままな事を考えると、ちょっと怒りがわいてくる。

「明日全く出来なくて0点だったらどうしよう」などと考えると、恐怖や不安が全身をおそってくる。

「全部は終わっていないけど、ずいぶん教科書を読んだので、もう少しで終わるのではないか」と考えると、気持ちが少し軽くなる。

「自分のここまで勉強した範囲以外はあまり授業中に重要と言われなかったな」と考えると、希望がわいてくる。

単純だが、現実的にこのような事を普段経験しているのではないであろうか。同じ経験をしても、それをどのようにとらえ、考えるかで、そのときに感じる気分はずいぶん違ってくるし、身体の反応や行動も違う。

認知療法・認知行動療法は自分の考えをしなやかに、柔らかくして、気分を軽くしてストレスを減らす手助けをしてくれる。認知の歪みによって、不安・恐怖に支配されている頭を柔らかくする事で、うつ病も克服出来るのである。

 

第2章(1)認知行動療法との出会いー認知行動療法とは

第2章(2)認知行動療法とはー10パターン①と②

第2章(3)認知行動療法とはー10パターン③と④

第2章(4)認知行動療法とはー10パターン⑤と⑥

第2章(5)認知行動療法とはー10パターン⑦と⑧

第2章(6)認知行動療法とはー10パターン⑨と⑩

第2章(7)認知行動療法のまとめ&利用方法

第2章(8)セロトニンとの出会い

第2章(9)セロトニン不足からの脱出

第2章(10)ジョギングでうつ病を克服した-リズム運動

第2章(11)うつ病に効く漢方ー羅布麻茶

第2章(12)セロトニンを食事で増やす

第2章(13)睡眠はうつ病を治すために大事

第2章(14)良い睡眠を取る方法-筋弛緩法

第2章(15)良い睡眠を取る方法-食べ物編

第2章(16)禁煙うつ①-うつ病と禁煙うつ

第2章(17)禁煙うつ②-禁煙すれば、うつ病は良くなる

第2章(18)うつの症状と対応する漢方薬

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